「電力自由化」について
2016年4月1日から電力小売前面自由化が始まります。テレビCMで「現在の電気料金よりも安くなる」と謳っている新電力会社も多いですが、実際のところ今の電力会社から乗り換えて電気料金が安くなるのでしょうか?それとも今のプランを継続したほうがよいのでしょうか?
例えば所有しているポイントカードのポイントが貯まったり、携帯料金が安くなるといった電気料金以外にもメリットがあれば、新電力会社を選んでも良いかもしれません。一人暮らしの学生や社会人ならば節約になります。
現在オール電化住宅プランを選んでいる人は慎重に
しかし、オール電化住宅の人が現行の電力会社から新電力会社に乗り換えるのは要注意です。オール電化向けのプランでは時間帯別に料金が設定されており、安い深夜電力を使うことで得をしています。九州地方のごく一部の新電力会社を除くと、新電力会社の大半は均一料金(いわゆる従量電灯)ですので、電力会社を変更するとかえって負担が増えてしまうのです。
また、新電力会社の電気料金プランに注目しがちですが、2016年4月1日から現在の電力会社の料金プランも新しいものに変わり、今までのプランへの新規申し込みが出来なくなります。「やっぱり元のプランに戻したい」と思っても、適用されるのは新しい料金プランです。
電力会社が提供する新プランでは深夜電力料金が値上げされています。現在オール電化住宅に住んでいる人が新電力会社へ変更した後に元の電力会社へ戻ると、かえって支払いが増えてしまいます。
既にオール電化住宅へお住まいの方は現在のプランのまま、また新しくオール電化住宅を建てる方は時間帯別料金が設定されている料金プランがおすすめです。
これからの電気料金について
平成28年度の再生可能エネルギー調達価格が正式発表された日に、再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下、再エネ賦課金)の値上げについても発表されました。再エネ賦課金については次回の記事で詳しく取り上げますが、固定買取制度の元で各電力会社が発電事業者から電気を買い取る費用は、一般家庭や企業といった全ての電気使用者が使用量に応じて負担しています。平成28年度の再エネ賦課金は2.25円/kWhとなり、制度が始まった平成25年度の再エネ賦課金(0.35円/kWh)と比較すると約6倍上昇しています。
3月30日の深夜に電力会社10社の電気料金値上げについての報道がされました。再エネ賦課金の上昇分が燃料費の価格下落分でも補えなかったために値上げが発生したのです。
なお、再エネ賦課金は全ての電気使用者が負担するので、新電力の料金プランを選択しても2.25/kWh円が回収されます。
太陽光付の住宅なら電気料金の値上げにも耐えられる
住宅ローンは支払いに終わりがありますが、光熱費は一生付き合います。これからは電気を購入して使うよりも自宅で電気を創って使う方がお得な時代になります。電気料金が値上がりしても電力会社から購入せずに、太陽光発電で家庭内の電力を賄うことが出来れば、生活にかかる負担も減ります。
消費税増税や国民年金の負担増加など、私たちを取り巻く社会状況は常に変化していきますが、長寿命設計の太陽光発電による自家消費と売電収入での生活を提案して少しでも家庭の負担を取り除きます。